映画鑑賞「燃えよ剣」
アマプラで「燃えよ剣」を観ました。
司馬遼太郎さんのファンなので劇場に行こうと思っていたのですが、見逃しておりました。
それがついに配信。
監督の原田真人という人は、過去、評判の良い作品を生み出してきた方です。
「駆け込み女と駆け出し男」は表面に出さない心の奥の感情をよく描けており、展開も最高に面白いものでした。
また、一般受けしなかった「関ケ原」も自分の中ではかなり見ごたえがありました。
今回も主役は岡田准一さんです。
これは間違いないはず。
おのずと期待は高まっておりました。
ところが…
たぶん、司馬遼太郎さんを好きな人は…
「違うだろーー!!」
と、心の中で叫んでしまったのではないでしょうか。
確かに。
確かに、あの厚みのある話を凝縮するのは大変ですよ。
新選組の辿った出来事、全部詰め込もうとしても無理なのだから、どこかに的を絞った方が良かったのではないかなと。
司馬さんの書きたかったこと。
土方歳三の為人。
まったく伝わらなかったのが残念です。
土方さんだけでなく、近藤さん、沖田さん、優秀な俳優さんを起用しているにも関わらず、人間像が薄く、登場人物の誰にも共感できない。
監督さんは「バラガキ」であることを特に描きたかったのか、野粗なおっさんたちが水取り合いの喧嘩でむやみやたらに流血したり、もともとの土方さんが残酷な殺人を好むようなタイプであったような場面描写はいただけませんでした。
決して。
司馬さんは土方さんをそのようには描いてはいない。
司馬さんの描く土方さん。
自分の歩む道として岐路を選択するうちに次第に粛清という道を通らずにはいられなかった男。
そう、私は理解してきました。
この時代の志士たちは、
攘夷にしろ、
公武合体にしろ、
開国にしろ、
みな日本の国が良くなるにはその方法が最善策なのだと信じて命がけで行動を起こしているわけで。
キチガイみたいにただ切り合っていたわけではないのに、この映画の、台詞が何を言っているの聞き取りにくいせいなのか、さっぱり、その、彼らの意志が映画を観ている側に伝わってこないのが残念でした。
たとえば。
私がこの本を映画にしろと頼まれたら(←誰も頼まないって( ̄▽ ̄))
壬生浪士組が京都に行くところ、清川八郎に浪士たちが詰め寄る場面あたりからストーリーを始めるかなあ。
彼らが目指した最初の”こころざし”を深堀りし。
と、そう思います。
映画の作り方としては期待外れでしたが…
その中で役者さんたちはとても光る良い演技をされていましたよ。
この映画のファンの方には申し訳ありませんが、正直に書いてしまいました。
どうか、広い心でご寛恕ください。
では、最後までお読みくださりありがとうございました。
そして今日は「今月のPV(ページビュー)が100を突破しました」というお知らせが届きました。読んでくださった皆様に感謝申し上げます。
つたないブログですが、今後もよろしくお願いいたします。_(._.)_