視覚障害の疑似体験
庭の植物たちも、この暑さのせいでしょうか。
真夏の代表サルスベリでさえ、今年は湿気った花火のように弱弱しく咲いています。
30度ぐらいだと、ようやく過ごしやすくなってきたな、なんて思っちゃう。
感覚がおかしくなっていますね。
さてさて、本題に入りましょう。
月曜日はスクールに通っております。
そこで視覚障害の疑似体験をしました。
数人のグループに分かれてのロールプレイ。
視覚障害者と同行援護者の役割を、交代しながらどちらも体験します。
まず、視覚障害者の役から。
ハンカチで目隠しして同行援護者の肘の少し上をつかみ、言葉の誘導にしたがって目的地まで行きます。
途中に段差があり、折り返し、細い道もとおり、テーブルがあるところまで行って着席するとことまでです。
これがやってみると、段差を上るときと降りるとき、怖いんですよ。
何もない平地であっても、一歩一歩前に足を出すことに体が緊張するんです。
とても貴重な体験でした。
また、同行者側を体験した時、「周りの状況を相手に分かるように説明する」という難しさも知りました。
ちょうどいいあんばい、というのが難しい。
何しろ初体験なものですからね。
状況説明しようと一生懸命になるばかりに自分の足が止まってしまう、とか、早く説明しようとして早口になったり噛んだりどもったり。
基本は「ゆっくりはっきりと!」なのにうまくいかない。
スクールはみんな初心者マークですから真面目にポンコツぶりを発揮し、大笑いしながら真剣に学びました。
教室をでて、クラスメイトと一緒にワイワイと授業の感想を話しながら歩く帰り道はとても楽しいものです。
駅の改札で「また来週! 」と手をふるのも楽しい。
そして、ひとり、電車に揺られながら思いました。
自分の目が見えなくなる日がくるかもしれない。
視力を失った人の多くは中途障害です。
つまり、自分もありえないことではないのに、考えたことがありませんでした。
足腰が弱って外に出られなくなっても、その時は本を読んだりアマプラを観たりして過ごせばいいや、と思っていました。
しかし脳の疾患で視力が失われることもあるわけで、その時どれだけADL自立度を保持できるかということを考えてしまいました。
いつか、という日が来たとき。
人の話を聞いて、そのことをどれだけ具体的に頭に浮かべることができるだろう。
それを助ける手段としては、今のうちに、沢山の物、物の名前を記憶し、そして多くの風景や料理を味わっておくのが有効かもしれないなと思いました。
ちなみに昨日は、食事の時に時計の文字盤の位置(クロックポジション)を利用して説明する、という方法を習いました。
「2時にハンバーグがあります」
「5時にスープ、6時にお箸、7時にご飯があります」
というふうに言います。
これは分かりやすくて便利だなと思いました。
これから夏休みになりますからね。
お子さんと一緒に食事する機会も増えるでしょう。
食べ始める前に、目を閉じて、簡易的な疑似体験してみるのも楽しいかもしてませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。