50代、おばちゃん福祉職員の雑記帳

福祉の仕事に携わってまだ3年、面白いこと難しいこと、まだまだいっぱいです。

子育て中のお母さんは大変なんです

昨日、朝の8時ごろ。いつものように会社までの道のりを歩いていました。

鉢植えを並べている床屋の前。

のんきに季節の花々を眺めておりますと。

女の人の激しい罵声が聞こえ、ハッとして声の方向を向きました。

「遅れたらどうするのよ! 」

赤ん坊を背負いヒモで前抱っこした若いお母さんが鬼の形相で怒ってらっしゃいます。

それと同時に、幼稚園の帽子をかぶったふたりの男の子が私の横を早歩きで追い越してゆきました。

私を追い越してゆく瞬間に彼らと目が合いました。

男の子たちの困ったような悲しいような焦った表情。

その瞬間、幼少期の息子の顔が重なりました。

 

お母さんの叱責はそのまま三軒先にある横断歩道まで続き、信号が青に変わるまでの間もとどまることがありません。

信号待ちしている他の歩行者になんか、かまっちゃいられない、というふうに。

「明日も遅くなるようなら送っていかないからね!」

「お母さんが仕事に遅れたらどうするのよ! 遊びじゃないんだから!」

 

そうですね。

おかあさん。

子どもを育てるために、お金を稼がなければ生きていけない。

そんなふうに思うものです。

一生懸命なのはとても良くわかります。

 

イライラして感情が高ぶったり。

なんで、私ばかりこんなに頑張らなくちゃいけないの?不公平じゃない?

そんな気持ちになったり。

相談したくても、自分で生むことを選んだんでしょと自分自身の心の声がすると、誰にも弱音を吐けない。

やすみたい。

ほんの少しでいいからやすみたい。

二十数年前、私はそんな気持ちをかかえながら必死で子育てしていたような気がします。

 

青になり横断歩道を渡る人々は誰も、この親子に視線を向ける人はいません。

横断歩道を渡り切ってから。

私は振り向いて親子の後ろ姿を見送りました。

 

どうか、このお母さんが人生の大事なことに気がつきますように。

お母さんが子育てのサポートを受けられるような機会に恵まれますように。

子どもたちが心に深い傷をかかえてしまわぬように。

 

目が合った瞬間の、男の子の表情が脳裏に焼きついて。

せつない気持ちになりました。

 

さて、

今日も雨降りです。

お仕事の人も、そうでない人も足元きをつけていってらっしゃい。

ではでは、私もいってきます!